グローブジャングルの怖かった思い出

キンモクセイさん
埼玉県 1966年生まれ 女性

私が通っていたの小学校の校庭の固定施設にグローブジャングルがありました。

あの頃私たちはジャングルジムとの区別もあって、そのかたちから『地球儀』と呼んでいました。

遊び方は真ん中の芯棒の部分につかまって乗っている子、外側につかまって上の方に乗る子、同じ外側でも回すために足を地につけている子などそれぞれ好きな位置に乗っていました。

回す子は走って地球儀を回し、好きなタイミングで地面を蹴って遠心力で体を浮かせます。そしてまた体が降りてきたタイミングで走って回し、体を浮かせて遊ぶのです。

地球儀を回す子はたいてい男の子たちで、特に運動神経が良く足の速い子たちがその役を買って出て、時にはものすごい速度で回すのです。

学校の休み時間などは先生方も校庭に出ているので、先生方の目を気にしてか、静かに優しく回して遊びます。

それでも時には思わぬ速度になってしまい、先生に怒られながら足を使って速度を落としたりしていることもありました。

ある放課後の出来事です。私は友達に誘われて、地球儀で遊ぶことになりました。

それでも友達の誘いを断る勇気もなく、あまり考えもせず友達と同様に外側につかまりました。

私を誘った子たちは活発で運動神経も良い子たちだったため、最初こそはゆっくりだったもののだんだんと回す速度が速くなっていきました。

さらにそこに男の子たち数人が面白がって参加してきたために、どんどん速度は上がっていき、回すために走っている子たちは楽しそうにやっていますが、足が遅い私はとっくにその速度に追いつけず足が浮いてきてしまいました。

しまいにはからだ全体がほぼ地面に水平の状態となり手だけで地球儀につかまっていました。

私以外の子たちは楽しく遊んでいる声が聞こえますが、いよいよ私の手は限界を迎えました。怖くてどうにも出来ず目をつぶったまま、『…もう無理』と手を放しました。

ふわっと体が宙に浮いたことだけは記憶に残っていますが、その後自分がどうなったのかはまったく記憶にありません。

男の子の声で『吹っ飛んだ!!!』という言葉が聞こえていました。

記憶に無いということはおそらく大した騒ぎにもならず、さぞかし痛い思いをしただろうと想像はつくのですがかなり頑張って泣きもしなかったと思います。

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