かまくらの思い出

ひえんさん
山形県 1989年生まれ 女性

私の住んでいる地域は豪雪地帯で、家の回りには背丈を越えるほどの雪が積もっていました。

小学生の頃、父の提案でかまくらを作ることに。作り方は簡単で、固めた雪に穴をあけるだけです。私と弟はさっそく雪山に登り、足で雪を踏み固めていきました。穴を掘るのは父の仕事。

今では考えられませんが、当時は雪がしっかり固まってさえいれば上に登って遊んでいても怒られなかったのです。

雪は柔らかい部分と固い部分があって、弟は時々柔らかい部分にはまって動けなくなってしまうので、ドキドキしながらの作業でした。

穴を掘るのも結構な重労働です。朝から始めて、完成したのは夕方だったように思います。父は凝り性で、ただ雪山に穴をあけるだけでなく、雪でテーブルと椅子、ランタンを置くための小さな棚まで作っていました。

「雪で作ったのだから寒いはず」と思っていたのに、かまくらの中は暖かくて驚いたことを覚えています。

その日の夕食はかまくらの中で焼肉。当然、その熱で雪が溶けて頭にポタポタと降ってくるのですが、それすらも家族の楽しい思い出になりました。

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