「初めて刃物を使わせてもらった」竹とんぼ作りの思い出

UFOさん
東京都 1957年生まれ 男性

初めてナイフを使って物を作ることを学んだのは、竹トンボ作りでした。

近所の神社のお祭りで、屋台で売っていた竹トンボを見つけたときには狂喜乱舞し、徹底的にその飛ぶ秘密を解明しようと必死でした。

その後、それをお手本に自分で実際に作ってみようと、四苦八苦しました。

まず、基本となる材料の「竹」を手に入れることからどうすればよいのか分かりません。

近所の材木屋のおじさんに聞いてみると、工場の隅に転がっている木材の切れ端なら、タダで持って行って良いと言われたので、「竹」ではないのですが、作ってみることにしました。

当時は今のようなキャンプ用のカッコいいナイフなどありません。肥後守(ひごのかみ、と読みます)という和製ナイフを父親から借りて、早速まねして木を削り始めました。

当たり前ですが、最初から上手く削ることなどできず、指を切っては、痛い思いをしながら、安全に刃物を使う方法を実践で身に着けながら、作業を進めました。

最初に作ったその不格好な「竹とんぼ」は、それでも、何とか空高く舞い上がってくれて、本当に子供ながらに大いに達成感を得ることが出来ました。

怪我をするからと、心配して刃物など使わせてくれないと思っていましたが、父親の「間違っても指を切り落とすことはないだろう。

多少痛い思いはするだろうけど、そこで痛みを知ることも大切だ」と思って見てくれていたそうで、当時の親に感謝しています。

コメント