スリル満点の雪遊び

yuumi0108
福井県 1956年生まれ 男性

片田舎の雪深い地域に生まれ育った私は,6年生にもなれば屋根の雪下ろしをしなければなりません。ある雪深い日に一人で屋根の雪下ろしをしていました。

雨と違って家の中が汚れたり濡れたりすることがありません。部屋から屋根に出るときも、終わって部屋に戻るときもウォークインスルーです。

ところがその日は天気も良く、降ろした雪が高く積もっていたので屋根から跳び下りることにしました。ちょっとした悪ガキの思い立った雪遊びです。

「えい!」と見事跳び下りることができました。膝辺りまで沈みました。子どもの考えることです。一つ成功すると、次はより高い屋根からと思います。思い立ったか吉日。直ぐにもう一つ高い屋根に上って跳び下りようとしました。

ところが予想していたよりも屋根が高く足がすくみました。なかなか跳び下りることができません。しかし、意を決してとうとう跳び下りました。降りてしまうとあの怖さは何のその。直ぐに有頂天になりました。

ところが事件です。高くなった分、胸の辺りまで沈み、体が抜けなくなってしまったのです。もがきにもがいて長靴を残したまま何とか脱出することができました。

そこで考えました。スコップを先に投げ降ろして、その近くに跳び下りれば良いと。なんと知恵の働く6年生でしょう!またしても「えい!」と跳び下りました。しかし、しかし、スコップに届かないところへ跳び下りてしまいました。

その経験から、次回からは100発100中で成功するようになりました。勇気と知恵が物言う雪遊びでした。

コメント