竹とんぼ失踪事件の思い出

りすこさん
群馬県 1990年生まれ 女性

小学5年生の頃、近くに住んでいる大工さんが子どもたち向けに木製おもちゃを作ってくれていました。

「竹のおもちゃ」として、竹を削って作った竹トンボを持ってきてくれたので、年下の子を連れて遊ぶことになりました。

その前に竹とんぼを触ったのは5、6歳の頃、しかも昔のおもちゃで遊ぶ教室で、壊れかかった竹とんぼだったので、あまり上手く飛びませんでした。

大工さんの作った竹とんぼは今考えても、羽の薄さや削り方に工夫があって、作りもしっかりしていたのです。

広いゲートボール場で遊び始めましたが、小さい子が飛ばしてもかなり高く飛んだので、期待以上のおもしろさで夢中になりました。少し風のある日だったので余計によく飛んだのかもしれません。

そのうちもっと高く飛ばしたくなり、木陰にあるベンチに乗って飛ばしてみました。すると、風に煽られてベンチから離れた木の枝に引っかかってしまったのです。

登って取るにも枝の先で、縄跳びの持ち手を投げても上手く取れず、雨も降ってきてしまい。大人に言って怒られるのも怖いので、その日は仕方なく帰りました。

翌日も取れず、翌々日にボールを持っていくと、なぜかなくなっていました。

下校後すぐに行った上に地面にも落ちていなかったので、どのタイミングで誰が持っていったのかその後も分からず、子どもたちの間では失踪事件として有名でした。

竹とんぼを見ると、その時の気まずさを思い出してしまいます。

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